【健康寿命のカギ】テロメアとは?寿命との関係と、食事で守る方法まで徹底解説!

アンチエイジング

私たちの体は、数十兆個もの細胞でできています。それぞれの細胞の中にはDNA(遺伝情報)を含んだ染色体があり、その両端に存在するのが「テロメア」です。

テロメアは「TTAGGG」という特定の塩基配列が何千回も繰り返されてできた構造で、靴ひもの先端のキャップのように、染色体の端を保護する働きをしています。

このテロメア、生まれた時にはおおよそ1万塩基の長さがあるのですが、細胞が分裂するたびに少しずつ短くなっていきます。おおよそ年間平均すると50塩基ずつ短くなっていくとされています。そして5000塩基ほどになると細胞が分裂出来なくなり、「細胞老化」や「アポトーシス(自然死)」を迎える様になります。

このため、テロメアの長さは「細胞の寿命」や「生物学的な年齢」の指標とも言われています。命の砂時計と例えられることもあります。

テロメアの長さは生まれつきある程度決まっていて、「長くする」ことは現時点で難しいとされていますが、生活習慣によって短くなるスピードを緩やかにすることができると考えられています。

以下は、テロメア保護に効果的とされる生活習慣です:

習慣内容
🥗 食生活野菜・果物・全粒穀物・オメガ3脂肪酸が豊富な食事が効果的
🏃 運動週に3〜5回程度の有酸素運動(ウォーキングなど)
😌 ストレス管理瞑想、深呼吸、マインドフルネス
😴 睡眠毎晩7〜8時間の質の良い睡眠
🚭 禁煙・節酒タバコや過度の飲酒はテロメアを短縮させる要因
しかし、健康的な生活を心がければ良いという感じですが、この中で何が最もテロメアの保護に決定的な要因なのか?今一良く分かって居ませんでした。
ディーン・オーニッシュ博士

テロメアの研究において特に注目されているのが、アメリカの予防医学専門医ディーン・オーニッシュ博士による研究です。

彼は、包括的な生活習慣改善によってテロメアの劣化を食い止め、さらには延ばす可能性があることを示しました。

彼の研究では、以下のような包括的な生活改善を行った結果、テロメラーゼ活性の増加やテロメアの延長が報告されています。

  • 植物中心の低脂肪・高食物繊維の食事
  • 中程度の有酸素運動(ウォーキングなど)
  • ストレス管理(瞑想、呼吸法など)
  • 社会的つながりの強化(グループセッションなど)

オーニッシュ博士の食事法は、以下のような「低脂肪・高食物繊維・植物性中心」の食事です

推奨される食品理由
野菜・果物抗酸化作用で細胞を守る
全粒穀物(玄米、全粒パン)食物繊維とミネラルが豊富
豆類(大豆、レンズ豆など)良質なたんぱく質とイソフラボン
ナッツ類(無塩)オメガ3脂肪酸や抗酸化物質
緑茶やハーブティーポリフェノールが酸化ストレスを軽減
油はできるだけ控えめに特に飽和脂肪酸(動物性脂肪)を避ける

加工食品や動物性脂肪の多い食事は避け、**「自然のままに近い食材を、できるだけ植物ベースで取り入れる」**のがポイントです。

オーニッシュ氏の講演口述:
『テロメアは
染色体の末端にあり、“靴ひも”がほどけないように“靴ひも”の端についているプラススチックの先端に例えられることもありますが、実際にはDNAがほどけないようにする役割を担っています。時間の経過とともにDNAが複製されるにつれてテロメアは短くなり、テロメアが短くなると寿命が短くなり、これらすべての慢性疾患による早死のリスクが比例して増加します。それに比例して、わずか3か月で、同じライフスタイルの変化によってテロメアを修復して長くする酵素であるテロメラーゼが実際に増加する可能性があることを初めて発見しました。』
2008年発表の論文に関する講演

そしてその5年後の論文において、

『5年間で、私たちは初めて、テロメアを実際に長くすることができることを発見しました。』

今までテロメアを長くすることは出来ないと思われていたものが、どうすれば実際にテロメアを長くする事ができるのか?それに成功したという画期的な論文です。

オーニッシュ博士はさらに、

『糖尿病の合併症は非常にひどいものです。心臓発作、脳卒中、切断、失明、腎不全などです。
しかし、食事と生活習慣で血糖値を下げれば、これらの合併症をすべて予防でき、人的コストと経済的コストの両方を回避できます。』

と述べ、糖尿病予防に関する論文も公表されました。

オーニッシュ博士が提唱するライフスタイルへの変更が、